第25期日本学術会議新規会員任命問題に関する声明
第25期日本学術会議の新規会員として、日本学術会議が105名の会員候補を推薦したところ、内閣総理大臣はそのうち6名を除外し、99名だけを任命しました。これに対して、多くの学協会や大学人ほか様々な方々から多大の疑問や懸念が表明されています。日本学術会議は、「推薦した会員候補者が任命されない理由を説明いただきたい」こと、及び「任命されていない方について、速やかに任命していただきたい」ことを、要望する「要望書」を、2020年10月2日付で内閣総理大臣宛てに提出しています。
私たちも同感です。私たちが研究しているコミュニティ政策の分野では、「協 働」という政策理念のもとに地域コミュニティと行政や専門機関との信頼関係に基づいて多彩な連携・協力関係が築かれて成果を収めています。日本の研究者コミュニティの最も重要な機関の一つである日本学術会議と政府との協力関係も同様の信頼関係の上に構築されるべきではないでしょうか。だからこそ、日本学術会議法 は、その第7条第2項で、会員は、日本学術会議による推薦に「基づいて」内閣総理大臣が任命する、と規定しています。かつて政府が国会に対して答弁したように原則として推薦通りに任命するべきものであり、万一そのようにしない場合には合理的で納得のいく説明がなされるべきでしょう。そのようにして研究者コミュニティと政府との信頼関係が維持され、日本の学術的研究の基礎が強固なものになっていくのだと考えます。
現在に至るまで、政府が日本学術会議の上記要望書に真摯に応える対応をしていないことを私たちコミュニティ政策学会理事会は深く憂慮するものです。
2020年10月18日 コミュニティ政策学会理事会